日本のごみ事情


そもそもごみとは?

 

人はまともな経済生活をし続ける限り、日々「もの」を増やし続けていきます。新しい「もの」を購入する時には、その人にとって、有用な「もの」であったはずです。ところが、時間が経ちその人がいらないと思った時から「もの」は「ごみ」になってしまいます。例えば、見飽きたインテリア、流行から外れた衣服などなどです。また思いでの詰まった「もの」でも、やがて「ごみ」になってしまう時が来てします。例えば「両親の衣服」「こどもの自由研究」「壊れたおもちゃ」なども、世代や所有者が変わり第三者が見れば「ごみ」となってしまいます。

 

環境社会学者の嘉田由紀子氏は、ごみの定義をこの様に語っています。

国語五上 銀河 光村図書 より 『ごみ問題ってなあに』 より引用

「もの」としての性質が変わったわけではなくても、人とのかかわりが切れ、

だれも使う人がいなくなったとき、物はごみになってしまいます。

 

同じ「もの」を「ごみ」と見なすか、「価値のあるもの」と見なすかは人の判断によります。

逆にいうと本人からは無価値に見えても、第三者から見れば「宝の山」である事もあります。「もの」の価値とは高値で売れるという商品価値だけではありません。部品として使われている素材など適切な処理法や手を施せば、別の資源へ生まれ変われる「もの」も多くあります。「ごみ」とみなして、廃棄する、燃やす、埋め立てるだけではない処理を施すのが「循環型社会」の発想です。

 

一世紀前まであった自然の「循環型社会」

 

自然界の中では、草木、生物、排泄物、遺体までもが無駄なく循環されていました。またつい150年程前の江戸時代においても、物が壊れたら修理して使い、壊れた物を他の物に代用しながら、簡単にゴミを出さない生活をしていました。現在の社会において、ごみ問題が深刻化している背景には、自然循環の中で対処しきれない膨大な量のものが購入され続け、安易に廃棄され続けているからです。ペットボトルやプラスチックなど自然界にはなく、分解が出来ないものが排出され投棄され続けて来ました。しかし、自然界では分解出来なくても、人間の技術力で分解、再利用をする事は可能です。平成12年より「循環型社会」を目指した、様々なリサイクル法が成立され、分別回収や再利用処理が進められています。ごみの総量は平成10年には5160万tありましたが、平成23年には4625万tに減少されています。リサイクル率は20.5%で年々割合が増えています。

 

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粗大ゴミ事情

 

続いて、粗大ゴミ事情についてお伝えします。一般廃棄物に比べて、粗大ゴミは10%の割合に当たりますが、市町村によって廃棄方法にばらつきがあり不明な点も多くあります。そこで環境省は平成21年に、全国の廃棄物量数が中間順位にある、さいたま県でサンプリング調査を行い、廃棄物処理で、調査を行い粗大ごみ処理の実情を研究しました。

 

環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部 「日本の廃棄物処理」より抜粋

 

上記はさいたま県での再生利用率のグラフです。さいたま県での焼却施設再生利用率は年々増加し50%を超えています。これは産業再生法、建設リサイクル法などの事業責任での処理が進捗している事によります。逆に粗大ごみ処理施設での再生利用率の低下は、家電リサイクル法の施行によって、テレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機の廃棄がメーカー責任で行われる様になった為、粗大ごみの質から金属製品が減少した事によります。小型家電リサイクル法が平成25年に施行される様になると、粗大ごみ処理施設での再生率の増加が見込まれています。

しかし、粗大ごみ処理施設自体がリサイクル法以前から稼働しており設備の老朽化も見られました。最も古い設備では1970年代から稼働をしており、技術的な面で十分な再利用資源化が出来ていない事もあります。ゴミの種類を選別する機械は正常に稼働していますが、現在のゴミ事情に適した選別が出来ていない様です。十分に再生可能な資源を、分解出来ない状態で埋め立ててしまうなど、改善の要素がある事が分かりました。技術面では改善が可能な事なので、老朽化した粗大ごみ処理施設に自治体が設備投資を行う事で対策が可能です。

 

この様に、日本の廃棄物処理問題は解決こそしていませんが、各種リサイクル法の進捗により改善している方向にあります。これらの成果を生み出した、「循環型社会形成推進基本法」に基づく法令の詳細は次回お伝え致します。